【所得控除の主な種類】対象者や控除額を解説
所得税における所得控除の仕組みを理解しておくことで、税負担を抑えられる可能性があります。
一方で、控除の種類や対象者、控除額の違いを正しく把握していないと、本来受けられるはずの控除を見落としてしまうこともあります。
本記事では、所得税における主な所得控除の種類ごとに、対象者と控除額のポイントを解説します。
所得控除とは
所得控除とは、所得税や住民税を計算する際に、納税者の生活状況や支出内容を考慮して、所得から一定額を差し引く制度のことです。
控除額が大きくなるほど課税対象となる所得が減り、結果として納める税金も少なくなります。
主な所得控除の種類と対象者・控除額
主な所得控除の種類と対象者・控除額としては以下が挙げられます。
基礎控除
すべての納税者が受けられる、最も基本的な控除です。
従来は所得金額が2400万円以下の場合、一律48万円が控除されていましたが、令和7年分以降の所得税からは基礎控除額が引き上げられ、所得に応じて控除額が段階的に変わるよう改正されました。
改正後は、所得が低い人で最大95万円の控除が受けられ、高所得者では16万円となります。
なお、合計所得金額が2500万円を超える場合は、基礎控除の適用を受けられません。
扶養控除
生計を一にする家族(配偶者を除く)を扶養している場合に受けられる控除です。
一般の扶養親族は38万円、19歳以上23歳未満の「特定扶養親族」は63万円、70歳以上の「同居老親等」は58万円です。
ただし、それぞれ年齢や所得金額、同居状況などの要件があるため注意が必要です。
配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の所得が一定額以下の場合に適用される控除です。
配偶者の所得金額が48万円以下の場合は、最大38万円の「配偶者控除」が受けられます。
一方、所得金額が48万円を超えても133万円以下であれば、「配偶者特別控除」として最大38万円から段階的に控除額が設定されています。
社会保険料控除
健康保険、国民年金、厚生年金などの社会保険料を支払った場合、その全額が控除対象となります。
本人の分だけでなく、生計を同じくする家族の社会保険料を納めた場合も控除の対象に含めることができます。
生命保険料控除・地震保険料控除
生命保険料控除は、支払った生命保険料の金額に応じて最大12万円(新旧契約合計)の控除を受けられます。
地震保険料控除は、支払った保険料に応じて最大5万円まで控除可能です。
まとめ
所得控除は、納税者の生活状況や支出内容に応じて税負担を軽減できる制度です。
基礎控除をはじめ、扶養控除や医療費控除など、条件を満たせば誰でも活用できるものが多くあります。
所得控除について不明な点がある場合は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。
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小澤 裕司(おざわ ひろし)
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- 経歴
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- 昭和36年生まれ
- 大学卒業後、父親の経営する税理士事務所に勤務
- 平成2年税理士登録
- 平成14年に小澤裕司税理士事務所を設立
- 以来長年に渡り、川崎市中心に企業税務を中心に活動
事務所概要
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