【税理士が解説】NPO法人を設立する税務上のメリット
NPO法人(非営利法人)は、営利を目的としない活動を行う団体です。
日本では、社会的な課題に取り組む団体や地域の活動を支援する団体が、NPO法人として設立されています。
この記事では、NPO法人を設立することによって得られる税務上のメリットについて解説します。
NPO法人の税務上のメリット
NPO法人の設立には、法人税や消費税など税務上の優遇措置が適用される場合があります。
以下では、具体的なメリットを紹介します。
法人税の優遇措置
通常の株式会社など営利法人では、収益全体に対して法人税が課税されます。
しかし、NPO法人の場合、非営利活動によって得られた収益については、法人税が非課税になります。
ただし、全ての収益が非課税になるわけではありません。
NPO法人が収益事業を行う場合、その収益事業から得た利益については法人税が課税されるため、収益事業と非収益事業を分けて管理することが重要です。
また、法人住民税の均等割については非収益事業のみを行っている場合も支払い義務があります。
消費税について
消費税は、物品やサービスの提供に対して課される税金であり、営利・公益を問わず、すべての人が負担するものです。
NPO法人であっても、課税取引を行っている場合は納税義務が発生します。
ただし、寄付や会費などの収益は消費税の課税対象外となるため、消費税負担が軽減されます。
寄付金控除の適用
NPO法人が「認定NPO法人等」として認定を受けると、寄付をした個人や法人に対して寄付金控除の特典が適用されます。
認定NPO法人等への寄付は、寄付者にとって所得税や法人税の負担を軽減する手段として利用できるため、寄付が集まりやすくなるメリットもあります。
認定NPO法人等の資格を得るには、一定の要件を満たす必要があるため、認定を目指す場合は条件について事前に確認しましょう。
収益事業の制限と注意点
NPO法人が税務上の優遇措置を受けるためには、収益事業の範囲を把握し、収益事業と非収益事業の収入は、それぞれ分けて管理しなければなりません。
なお、収益事業とは、法人税法上の34業種に該当する営利を目的とした事業を指します。
まとめ
NPO法人を設立することで、法人税や消費税の優遇措置を受けることができるほか、認定NPO法人等として認定を受けると寄付者に寄付金控除が適用されるといったメリットもあります。
ただし、収益事業に該当する事業から得た収入には法人税が課税されるため、収益事業と非収益事業を区分して管理することが重要です。
NPO法人の税務上のメリットについて不明点がある場合は、ぜひ小澤裕司税理士事務所にご相談ください。
当事務所が提供する基礎知識
-
「原則課税方式」と「...
消費税の納付額の計算には原則課税制度と簡易課税制度の2つがあります。この記事では、これら二つの計算方法について解説します。 ■原則課税制度消費税の税額は原則、課税売上等に係る消費税額(預かり消費税)-課税仕入れ […]
-
決算が赤字の場合法人...
企業が赤字決算になった場合、利益が発生しないため法人税の申告や支払い義務は発生しないと考える方もいるかもしれません。 しかし、赤字決算であっても法人税の申告は必要であり、一部の法人税については支払い義務が発生します。こ […]
-
所得税対策
所得税の支払いをできるかぎり抑えたいと考える皆さんは多いと思います。この記事では、所得税を抑える方法についてご説明します。 ■所得税の計算方法まず、所得税の大まかな計算の流れをご説明します。所得税は以下のような […]
-
実費弁償による受託等...
NPO法人は、法人税法上で「公益法人」としてみなされ、特定非営利活動に関しては法人税の課税対象となりません。しかし、法人税法上で規定されている34業種の「収益事業」によって収入を得た場合には、その所得が課税対象となります […]
-
NPO法人に課税され...
NPO法人に課税される主な税金として、以下の3種類が挙げられます。以下で詳しくご紹介いたします。 1.法人税NPO法人は、法人税法上においては「公益法人等」とみなされることによって、特定非営利活動に関する所得は […]
-
法人税申告の流れ
法人税申告は、申告書を記載することで行うことができますが、流れを理解すれば必ずしも難しいものではありません。そこで、ここでは、法人税申告の基本的な流れをご紹介します。まず、法人税申告書には、「別表1〜18」までの書類が存 […]
よく検索されるキーワード
税理士紹介
税理士
小澤 裕司(おざわ ひろし)
企業の安定を目指し、二人三脚でサポートいたします。
当ホームページをご覧いただきありがとうございます。 私は長年企業の税務会計に携わってきました。 毎日の会計処理、月次決算、期末決算、税務調査や申告など重要なポイントは多岐にわたり 一つのボタンの掛け違いが大きなミスに繋がることもあります。
一般法人、NPO法人で税務会計にお困りの皆様は、ぜひ会計のプロである当事務所にご相談ください。
-
- 所属
-
- 東京地方税理士会 川崎南支部
- TKC会員
-
- 経歴
-
- 昭和36年生まれ
- 大学卒業後、父親の経営する税理士事務所に勤務
- 平成2年税理士登録
- 平成14年に小澤裕司税理士事務所を設立
- 以来長年に渡り、川崎市中心に企業税務を中心に活動
事務所概要
事務所名 | 小澤裕司税理士事務所 |
---|---|
所属税理士 | 小澤 裕司(おざわ ひろし) |
所属団体 | TKC会員 |
所在地 | 〒210-0007 川崎市川崎区駅前本町20-11 本町共同ビル7階 |
電話番号 / FAX番号 | TEL:044-233-9101 / FAX:044-233-6095 |
対応時間 | 平日:9:00~17:00 |
定休日 | 土・日 |